タイトル:親子で育てる ことば力と思考力
著者:今井 むつみ
刊行:2020/3/28
選定のきっかけ
ヨンデミー笹沼さんのPodcastを聴いていたところおすすめに挙がった書籍。
子どもの読書力や英語力を強化するヒントになるのではないかと期待した。
本の内容など
- 子どもがことばを覚えるプロセス
- ことばが指し示す範囲を探す
- モノの特徴に注目する
- 知らないことばの意味を推測する - 大人が気づかないような言葉の関係性を発見する
- 語彙のシステムを常にバージョンアップしている - 個々の言葉をバラバラに覚えるのではない。一つのことばを覚えると、それは他のことばの排他条件になる。ことばの範囲をアップデートしていく。
- ことばの推論=「思考力」
- ことばを覚えていく際に、「知識(既知のことば)を使って、推論(ことばの範囲を再定義)し、問題を解決する(新しいことばの定義を決める)」というプロセスが必要。=この力が「思考力」
- 「思考力」=「情報処理能力(ことばを引っ張り出す能力)」+「実行機能(形容詞や動詞などカテゴライズされることばのどこにスポットライトを当てて再定義をするか見定める行為)」
- この思考力が学力(≠単なる知識の集積)につながる
- 9歳の壁
- 小学校3〜4年生頃になると勉強で抽象的な概念が増える
→日常生活の語彙だけでは理解が追いつかなくなる
- 小学校3〜4年生頃になると勉強で抽象的な概念が増える
- ことば力をつける方法
- 対話を多くする
- ことばを比較する
似ていることばを挙げてみたり、ことば同士の違いを一緒に考えてみる。 - 好きなことにとことん付き合う → 対話を増やす
- 買い物の時間を有効活用
「牛はどうやって鳴くの?」「この野菜はどうやって育つの?」「みず菜とチンゲン菜、同じ漢字を使っているね」など。推論する。 - 日常生活や遊びの中で、文字、ことば、数、形、空間や時間のことばの表現に関心を持ち、注意を向ける習慣づけが肝要な時期。
- 遊びの中で空間ことばをたくさん使う
「上下」「左右」「横」「前後」など - お出かけのプランを考えながら時間ことばを使う
「一週間先」「●●する前に」など - 生活や遊びの中での算数トーク
- 数や量の差に自然に興味をもたせる。
- 数を数えるよりも、感覚的に多い/ 少ないを把握できる(コップの中のお茶や分けられたお菓子を見て、ぱっとどちらが多いかわかる感覚)ことが優先。
- クッキーが2枚あるね、車が3台あるね、など数や量を示して話すのも有効
→そのうち、どちらが多い?に持っていく
- デジタルは賢く使う
- 同じ絵本を読み聞かせるのでも、機械が読み上げるより大人が読み聞かせした方が子どもが新しい語彙を獲得できるという研究結果がある
- 同じ絵本を読み聞かせるのでも、機械が読み上げるより大人が読み聞かせした方が子どもが新しい語彙を獲得できるという研究結果がある
- 絵本の読み聞かせ
感想
濃い内容だが非常にコンパクトにまとまっており、1日(1〜2時間ほど)で読み終えた。
推論する習慣づけの重要性を認識したし、
知識を押し付けるのではなく日常生活の中で感覚を養うことの重要性については非常に強く共感できた。
やはり小学校受験はナンセンスだなあと今のところは思う。
もっと日々の生活の中で学べることがたくさんあるはず。
でも、ぼーっと生きていたらそれも得られない。
一日一日の積み重ねが重要。
また、やはり読み聞かせは習慣化したいと決意を新たにした。
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