タイトル:アフターChatGPT 生成AIが変えた世界の生き残り方 (PHPビジネス新書)
著者:山本 康正
刊行:2023/7/1
選定のきっかけ
amazon audibleのビジネスのおすすめに出ていた。
データを生業とする立場として読まないわけにはいかないだろうと思いaudibleで視聴。
本の内容、感想
一章はopen AIやGoogleなどのビッグテック各社のAI(主に生成系AI)の動向について。
検索広告で多額の収入を得ているGoogleはChatGPTを疎んでいる、
リリースしたAIの精度が悪く株価が9%下落などおもしろいエピソードも多かった。
個人的には章末の著者とジェリー・チー氏の対談が興味深かった。
シリコンバレー育ちの台湾系アメリカ人。1984年、アメリカ生まれ。米スタンフォード大学工学部経営工学科卒業。在学中に日本留学を経験し、日本に魅了される。卒業後は、バークレイズ・キャピタル証券(現・バークレイズ証券)に就職し、東京勤務。その後、中国・北京にて証券自己勘定取引会社を設立・経営。会社売却後、米ペンシルバニア大学ウォートン・スクールにてMBAを取得。グーグル合同会社(Google Japan)、スーパーセル(東京支社で勤務したのち、本社ヘルシンキで勤務)、スマートニュースなどで勤務(主に機械学習やデータ分析)。東京を拠点に、キャリアを形成中。
上記がジェリー・チー氏のプロフィールだが、これだけ有能というか多才というか、第一線を行くような人でも情報を得る努力を惜しまない姿勢には感銘を受けた。
Google Alertを使ったり、「ちょっとお茶しませんか」と会ったことがない人にアポイントメントを取ったりなど。
また、日本は分野を超えると専門外だとシャットアウトするという話が興味深かった。
似たような話をブルース・ガッドラヴ氏がしていたとJVAの奥村さんから聞いたばかりだった。
ジェリー・チー氏はさまざまな専門分野からの視点で物事を見ることは非常に重要かつ自分にとって学ぶ意欲を増進させるものだと述べている。
これから技術が発達するにつれて、なくなる仕事と新しくできる仕事が出てくる。
新しくできる仕事の中には、新しい技術についていける人とついていけない人のギャップを埋める役割を担うものも多いだろうと著者は述べている。
そして、その役割を担う職業のひとつがデータサイエンティストだそうだ。
エンジニアなどの専門的な職種とは異なり、データサイエンティストはより包括的な知識やマネージメント力も求められていると考えているとのことで、なるほど私もこの点は腑に落ちた。
自分がデータサイエンティストだと胸を張って言うには未熟がすぎるものの、曲がりなりにもこの分野に従事し続けられている理由のひとつは、専門性とともに全体性が必要とされるこの職種の特色が自分に合っているからかもしれない。