タイトル:アメリカの小学校に学ぶ英語の書き方
著者:リーパーすみ子 (著)
刊行:2011/9/26
選定のきっかけ
英語育児の先輩ママおすすめの書籍。
長女が少しずつ文字や簡単な文章を書き始めるようになりつつあるので、そのスキルアップの参考になるかと思い選書。
本の内容など
アメリカの教育事情
一般的なアメリカの家庭の子どもが経験するもの(⇔移民家庭)
学校制度
一般的な小学校〜高校の他に、チャーター・スクールもある。
教育カリキュラムは州ごとに異なるが、連邦政府が実施するNAEP(全米学力調査)もある。
→読解力、作文力、数学、科学、文系・理系の両方の知識を問うテスト。
読み書きの時間割
1日90分の「リテラシー・ブロック」=リテラシー(読み書き、文法など)をまとめて教えること がある。
- カレンダーや時間割を見て行事やイベントの確認
- リードアラウド(先生が読む)、シェアード・リーディング(生徒も特定のフレーズを読む)
- 少人数制のガイデッド・リーディング:5-6人ずつ指導、他の子は自習など
- ライティング:テーマに基づいて書く練習
- 算数:問題文の意図を理解する
リテラシー・ブロックで覚えておくべきガイドライン
- Oral Language 話し言葉
- Concepts of Print 活字体、筆記体、チア摂る、見出しなどを見分ける力
- Phonological & Phonemic Awarenss フォノロジカル&フォネミック・アウェアネスの知識(話し言葉の音から、音のグループ(fat, cat, matなど)や音の組み合わせ、成り立ちなどを学ぶ。音に注意を払うことはリーディングの力を養うと言われている。
- Phonics & Spelling フォニックスのルールとスペリング
- Fluency すらすらと読む、話せる力
- Vocabulary 単語
- Comprehension 理解力
- Writing 書いて表現する力
ライティングの授業で使われるさまざまなメソッド
Six Traits:伝統的な手法
- 「ウェッブ」を使ってメインアイデアを決める
これから書くことを蜘蛛の巣のように図式化して整理し、書くことを具体化・視覚化する。 - 文章の構成を考える
5W1Hを頭に入れて書く。
説明を入れるときにはbecause〜で始め、詳細を加筆する。 - voice(意見・主張)を入れる
自分ならではの意見、個性を加える。 - 語彙の選択
例)specialの言い換え候補:nice, wonderful, kind, amazing, marvelous, fantastic, fabulous
自分の感覚にしっくりくる単語、伝えたいことが明快になる表現や情景が浮かんでくるような語彙を選ぶ。 - 文章の流れ
目で見るだけでなく、声に出して読んでみる。 - 文法などのルールを守る
スペルチェック、全体のリズム、句読点、インデントの確認。
selfi-editing→peer aditing→teacher editingの3段階のチェックを行う。
プレゼンテーションも行う
Four Square Writing Method: 書くことをより具体化する
6トレイト踏まえながら、書き方をさらに具体化した教育法。
3つのdetail(説明、描写)とSummaryの4つのパーツで成り立っている。
Inverted Tringle: 4,5年生で使用
パラグラフで構成されるやや長めの文章を書くときにより具体的に書くためのアプローチ。
ライティングの授業
幼稚園:幼稚園のライティングの授業で求められる水準
- Main Idea
- 何を書くのかについてのメインアイデアを理解している
- Pictures
- 書きたいことの細かい描写は絵で表現する
- Words
- 書きたい単語は声に出して言ってみる。耳から聞いた音をノートに書き出す。
- 教室の壁に貼ってある単語などを参考に、なるべく正しい綴りで書くように心がける
- 自分で書いたものがインベンティブスペリングでも、人に読んであげることはできる
- Organization
- 左から右に書く
- 単語と単語の間にスペースを空けて書く。人差し指でスペースを空ける。
初めのうちは英語でなくてもよく、とにかく書かせる、書くこと自体を楽しんでもらうことを大切にする。
1年生から学ぶ4スクエアのコンセプトだけは教えておく。
「週末に何を市たか」を4コマの絵で説明する宿題を出す。徐々に絵日記を綴るようになり、1単語、2単語と書き、文章につながっていく。
幼稚園のサイトワードも覚える。
小学校:1年生のライティングの授業で求められる水準
- Main Idea
- メインアイデアをはっきりさせる
- 意味が通っているかを確認する
- Supoort(メインアイデアをサポートする描写)
- メインアイデアを支える3つの描写を書く
- 形容詞を使って文を書くことを心がける
- Organization
- すぐ書き始めず、考えをまとめてから書く
- beginning, middle, endingという基本の流れを押さえる
- who, where, whatが明確な文章を書く
- Convention(大文字/小文字の使い分け、句読点など)
- 文章のはじめは大文字
- 句読点や感嘆符を正しく使う
- Spelling
- Presentation
- 左から右へと書く
- 単語と単語の間にスペースを空ける
- 提出する前に必ず読み返す
小学校:2年生のライティングの授業で求められる水準
- Main Idea
- 他の人が読んだとき、意味がきちんと通っている
- 言いたいこと、メインアイデアを統一している
- Supoort(メインアイデアをサポートする描写)
- Organization
- 各パラグラフを書くにあたって、ビジュアル・オーガナイザーを使って下書きをする
- パラグラフがうまくつながっているかを確認、整理する
- Sentence Structure
- 短い文、長い文などをうまく織り交ぜて変化をつける
- Convention(大文字/小文字の使い分け、句読点など)
- 文のはじめは大文字
- 場所、人の名前などの固有名詞は大文字で書く
- 文の終わりにはふさわしい句読点や感嘆符を使う
- Spelling
- 新しい単語を書くときにはスペリングのルールやパターン(ay, ar, ow, thなど)に従う
- 日頃頻繁に使われているhigh frequency wordsは正しく綴る
- Wordウォールや辞書などのリソースを使う
- Presentation
- 人にも自分にも読みやすいようにきちんと書く
- アルファベットを正確に書く(bとdを混同しないなど)
- 文章のはじめは1字分下げる
- 単語と単語の間にはスペースを置く
- 新しいパラグラフを書き始めるときは、1,2行スペースを空ける
小学校:3年生のライティングの授業で求められる水準
- Main Idea
- Supoort(メインアイデアをサポートする描写)
- 全体にメインアイデアを支えるための描写を忘れない
- 全体の意味をよりはっきりさせるための描写の表現、形容詞を使用する
- Voice
- 自分のvoice(主張、言いたいこと、意見)、個性をはっきりと読者に伝えるように書く
- Organization
- ウェッブ、エディティング・チェックリストなどを効果的に使う
- ふたつのパラグラフがある
- 作品に、beginning, middle, endingがある
- Sentence Structure and Fluency
- 文が明確である
- Convention(大文字/小文字の使い分け、句読点など)
- 大文字の使い方(場所の名前、人名、曜日、文の出だしなど)に気をつける
- 句読点や感嘆符を正しく使う
- Spelling
- 新しい単語を書くときにはスペリングのルールやパターン(ay, ar, ow, thなど)に従う
- 日常的に頻繁に使われているhigh frequency wordsは正しく綴る
- Presentation
- 誰でも読めるようにきちんと書く
- パラグラフのはじめの語字下げする
- 単語と単語の間、次の文に移る時のスペースに気をつける
小学校:4年生のライティングの授業で求められる水準
- Main Idea
- Supoort(メインアイデアをサポートする描写)
- 全体を通じてメインアイデアを支えるために効果的な例題/ 描写が含まれている。
- 全体の意味をより効果的に描写するための単語を選択しながら書く
- Voice
- 自分のvoice(主張、言いたいこと、意見)を読み手がイメージできるように書く
- Organization
- 自分が書いている作品にタイトルがある
- ウェッブ、エディティング・チェックリストなどを効果的に使う
- 3つのパラグラフがあり、beginning, middle, endingの構成ができている
- パラグラフが変わるときには、for example, alos, additionallyなどの話題の変化を伝える接続詞を使う
- Sentence Structure and Fluency
- 文が明確で、句読点などが正確に使われており、長短のバラエティに富んだ文で構成されている。
- Convention(大文字/小文字の使い分け、句読点など)
- 大文字の使い方(場所の名前、人名、曜日、文の出だしなど)に気をつける
- 句読点や感嘆符を正しく使う
- Spelling
- 新しい単語を書くときにはスペリングのルールやパターン(ay, ar, ow, thなど)に従う
- 日常的に頻繁に使われているhigh frequency wordsは正しく綴る
- Presentation
- 誰が読んでも読めるようにきちんと書く
- パラグラフの一行目は字下げする(インデント)
Inverted Triangleを活用するのはこの時期である。
小学校:5年生のライティングの授業で求められる水準
- Main Idea
- Supoort(メインアイデアをサポートする描写)
- 全文を通じてメインアイデアを支える例を挙げる
- 全文を通じて自分の言いたいことをはっきりと伝えられる単語(vocabulary)の選択を心がける
- Voice
- 自分のvoice(主張、意見)、個性を意識して書く
- 自分の感情も表現する
- Organization
- 構成の段階では、ビジュアルオーガナイザー、アウトラインを箇条書きにしたカード、マインドマップを使用する
- 書いた文章をエディティング(チェック)する
- 紹介文(indroduction)からはじまり、全体の文章、結論endingで終わる流れを踏まえて構成する
- ひとつのパラグラフから次のパラグラフに移るときには、それを接続させる言葉や単語、表現を正しく使用する
- 題名(タイトル)は自分の言いたいことを表しているかを確認する
- Sentence Structure and Fluency
- 明確である
- いろいろな例を挙げて説明している
- 変化に富んだ構成である
- Convention(大文字/小文字の使い分け、句読点など)
- 大文字の使い方(場所の名前、人名、曜日、文の出だしなど)に気をつける
- 句読点や感嘆符を正しく使う
- Spelling
- 新しい単語を書くときにはスペリングのルールやパターン(ay, ar, ow, thなど)に従う
- 日常的に頻繁に使われているhigh frequency wordsは正しく綴る
感想
今後7年先くらいまでの具体的なアチーブメントが理解できて良かった。
具体的なメソッドを参考にする段階にはまだないが、今後折に触れて見返す価値のある本だと思った。
アメリカの小学校に学ぶ英語の書き方 [ スミコ・リーパー ]
- 価格: 1540 円
- 楽天で詳細を見る