著者:池井戸 潤 (著)
刊行:2022/9/5
選定のきっかけ
amazon audibleの「2023年 もっとも聴かれた本ランキング」で1位にランクインしていたため、気になってきいてみた。
普段、小説はほとんど読まないのだが、今は育休中で日中のBGM的に流してみたところこれが良かった。
これまではPodcastやビジネス書をaudibleで流すようにしていたのだが、これらはどうしても「聴く」態勢にさせられる。例えば料理をしていてイヤホンで聴くというような場合には良いのだが、育児中はイヤホンではなくスピーカーで音を流すので、場所によっては音が聴き取りづらい。
家事をしたり子どものお世話をしたりと定位置にいることはあまりないし、今のところ聞き逃してしまった!という場合にすぐに携帯に手を伸ばせる状況にないこともしばしばである。
その点、小説は、細切れに聞いていても大まかなストーリーは分かるし、(自分が小説を読むことに対してさして思い入れがないこともあり)ある部分を聞き逃しても問題がない。(ビジネス系だと、重要な部分を聞き逃してしまうとその本を読む意味がなくなってしまう場合もある)
最悪、ストーリーが負えなくても、やはりプロの小説家が綴る文章は美しいので、2,3分その美しい言い回しに耳を傾けるだけでも学びがあったり癒やされたりする。
再生時間16時間、などと示されるとウッとなるところではあるが、1日1〜2時間適当に流しておくだけで2週間もあれば終わってしまう。
子どもが昼寝している間はこれまで通りイヤホンでpodcastやBBC Newsを聞き勉強しつつ、子どもが起きている間はリフレッシュとして小説を流すのは悪くないサイクルである。
感想
池井戸潤氏の作品は夫がハマっていた下町ロケットを横から眺めていた程度に鑑賞したのが最初で最後。著者の名前はよく見聞きするものの、こうして小説をしっかり読むのはもちろん初めて。
細切れに聴いただけにもかかわらずとてもおもしろく、ハラハラドキドキした。
活字でゆっくり、じっくり読んだら、さらに面白いことだろう。
ストーリーが進むたび、登場人物が次々怪しく感じられた。
それにしても、久しぶりに小説を読んだ(聴いた)のだが、その言葉選びの巧みさに感動した。ストーリーももちろんだが、言葉だけで情景がありありと浮かぶ様はまさにプロの技だと思った。
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